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管理物件を安全安心かつ快適な状態に。建具・建物金具のチェックと改修
元気なく垂れ下がったハンドル式のドアノブ、開閉の度にキイキイと音を立てる室内の扉、動かすとレールから外れる網戸や引き戸など、年月を経て不具合が出てきた建具や建具まわりの建物金具は、正常に機能していたとしても印象が悪く、実際の経年以上の古さやメンテナンス不足を感じさせるものです。それが賃貸物件などであった場合は、客付きに影響を及ぼしかねません。今回は室内の建具や金物のメンテナンスで、集合住宅の入居率や反響について考えます。
建具とは住宅の開口部が設けられた玄関ドア、室内ドア、窓などのことで、開口部を閉じる住宅建材を一般的に「建具」と呼びます。建具は人の出入りに使用される「戸」、採光や換気を目的とした「窓」に分類できます。
さらに屋内外をつなぐ外部用と、室内の部屋通しをつなぐ内部用に分けられます。戸や窓は壁など他の建物設備と違って人の行き来や風通しなどが目的となり、開いたり閉じたりが欠かせなく、使用頻度も高く、劣化も激しく、定期的なメンテナンスが必要です。
また、戸、ドア、窓そのものだけでなく、それらに付属する金具も重要となります。
というのも不具合が発生するのは、戸やドア、窓そのものでなく、それらについている建物金具だからです。具体的には、戸やドアであれば鍵、錠前、蝶番、ドアクローザー、ドアノブ、レールなど。窓であればクレセントなど。実際に働いているのは、戸やドア、窓ガラスでなく、これら建具金具なのはおわかりでしょう。そういうわけで壊れたり、メンテナンスを必要とするのは、これらの部品が先。ドア自体を取り換えるほどではなく、鍵や蝶番だけ取り換えれば済む場合もありますので経済的といえなくもありません。
垂れ下がったハンドル式ドアノブの原因である摩耗した軸も、キイキイとなるドアの蝶番、セーブが効かない玄関ドアのクローザー、締めているのに閉まらない窓のクレセント錠など、いずれも経年による劣化やあるいは酷使などが原因ですが、ご家庭では納得のまま放置することもあるでしょうが、賃貸住宅などであれば、いかにも古い物件という雰囲気が漂い、メンテナンスをしていないことが明らかで、入居を手控える人も増えるに違いありません。
さらに外部との開口部の設けられた建具は、外部から不正な侵入を防ぐ防犯設備でもあります。外部建具のほとんどには鍵が取り付けられており、これに不具合が生じていると侵入者を遮断することができず、日常生活を平穏に保つことが困難になります。その他、犯罪に巻き込まれなくとも、ドアに挟まれたり、ぶつけたり、窓からの落下など、家庭内の事故が発生することも考えられます。
建具のメンテナンスは、事故や犯罪から未然に防ぎ、安全安心な生活を守ることでもあるのです。
建具や建物金具の調子が悪い場合、初期対応としてはご自身でもできる清掃です。乾拭きや水拭きのほか、精密な部分以外は市販の潤滑剤を使用したり、錠前などの精密機器はメーカー純正のメンテナンス用具で日頃溜まったほこりやゴミを取り除きます。それでも不具合が直らない場合はプロ(専門店)による修理や交換に頼ることになります。開き戸、引き戸、折れ戸、窓の不具合とはどういうものか、それぞれの目安について見ていきましょう。
・開け閉めがしづらくなった
・閉まる速度が速い/遅い
・開け閉めの際にそれまでしなかった音がするようになった
・鍵が差し込みづらい、回しづらい
・ドアノブやハンドルの遊びが大きくなった/取れた/壊れた、など
・レールや溝のゴミが自身では取り除けない
・開け閉めがしづらくなった
・しっかり閉まらず開けっ放しになる
・開け閉めの際にそれまでしなかった音がするようになった
・鍵が差し込みづらい・回しづらい、など
・ドアノブやハンドルの遊びが大きくなった/取れた/壊れた、など
・レールや溝のゴミが自身では取り除けない
・開け閉めがしづらくなった
・指を挟む事故防止のクッションがなくなり、危険な状態
・開け閉めの際にそれまでしなかった音がするようになった
・鍵が差し込みづらい・回しづらい、など
・ドアノブやハンドルの遊びが大きくなった/取れた/壊れた、など
・レールや溝のゴミが自身では取り除けない
・開け閉めがしづらくなった
・窓枠やクレセントなどの部品が破損
・窓ガラスにひびが入っている
・開け閉めの際にそれまでしなかった音がするようになった
建具や建具まわりの建物金具は、家庭内の使用頻度の高い設備のひとつですから、これらに不具合があると、快適な生活に影響や支障が出たり、また外部建具は防犯面でのリスクが生じることがあります。また賃貸住宅や管理物件の場合は入居者に対してイメージも悪く、客付き、入居率に悪影響を及ぼすこともあります。
ただし、不具合の種類や素材によってはメンテナンスに専門的な知識が必要になることもあり、また鍵など防犯設備が関わると、専門家にお願いしたほうがよいこともあります。定期的な清掃やメンテナンスでは解消されない不具合、不調、不安、故障などが発生した際は、鍵と防犯のプロである専門店に調査や相談を依頼してみてはいかがでしょうか。